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2024/10/04 18:00

英国出身の発明家であり、実業家であったRichard Esterbrookによって、1858年にアメリカのニュージャージー州で設立された「Esterbrook(エスターブルック)」。エイブラハム・リンカーンなど歴代の大統領をはじめ、カール・バークスなどの作家たちにも愛用されていました。1960年代には、ジョン・F・ケネディーが、月に人類を送るアポロ計画の予算に署名する際に使用されたことでも知られています。「ピーナッツ」で有名なチャールズ・モンロー・シュルツは、エスターブルックのペンを愛用し作品を描いたと言われています。

いわゆるモダンタイムス時代の1930年代から60年代の古き良きアメリカを代表する筆記具として、年間2000万本以上の万年筆を米国と英国で生産していました。一度ブランドの歴史に幕を閉じるものの、約50年経った2018年、ニューヨークで再びその名を聞くことができるようになりました。
エスターブルックのペンは、当時「Estie(エスティ)」というニックネームで呼ばれるほどアメリカの社会に溶け込んでいました。正しいペンの使い方や文字の書き方ができるようなペンを目指して作られていたそうです。その歴史的な愛称である「エスティ」を、新生エスターブルックのシリーズ名に冠し復活。エレガントで色彩豊かなアクリル樹脂、美しいシガー型のボディシェイプ、書き味に定評のあるドイツJowo社製のニブ。万年筆の醍醐味である、滑らかな書き心地と見た目の美しさを兼ね備えたペンと言えます。
また、特徴的なのがキャップです。バネを内蔵して気密性を高めたクッションクロージャー式が採用されており、インクが乾燥し難い構造となっています。キャップを閉める際、一度押し込んでから回転させる必要がありますが、このワンアクションがアナログの良さ、道具の使用感といったものを感じさせてくれます。

エスティシリーズの特別生産品、「BACK TO THE LAND」。1960年代後半から1970年代、カウンターカルチャーとしてアメリカの若者に支持されていたヒッピー文化からインスパイアされたモデルです。自然と本来のアメリカンスピリットに回帰しようという運動をイメージし、ボックスや付属品まで当時の趣を再現。“カーキーリーフ” にはニブクリーナー、“インクレディブルロック” にはエアフレッシュナー、“ファンキーレイク” にはミニボトルインクがそれぞれ付属しています。
バイカラーが効いた深みのあるレトロなカラーリング。パッケージングまで世界観を統一し、古き良きアメリカの文化・物語を感じさせてくれるモデルです。